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2023年度

長野青年会議所

2023年度理事長所信

■はじめに

創始から受け継ぐ熱い情熱の「青」を胸に、
どんな時代であろうとも、
輝かしいこのまちの未来を願い、
限られたこの「瞬間」を共に駆け抜けよう。
我々には、このまちを変える力がある。

 私が長野青年会議所に入会したのは2015年。言われるがままにこの組織の常識を叩き込まれた頃を懐かしく感じる。あれから8年間、先輩方のまちづくりに対する強い志と溢れんばかりの情熱に触れ、様々な機会の提供によりリーダーとしての在り方を学ばせていただいた。それは、どんな時代であろうとも新規事業の立ち上げや事業のブラッシュアップ、その中で必要となる組織改革を止めず、様々な環境変化に対応することで一つひとつの事業がこのまちを前進させるものであった。時には厳しく、時には優しく、自らの行動で伝承していただいたこの想いを次の世代へと確実に繋いでいかなければならない。

長野青年会議所は1953年7月22日25名の志高き先人達により発足され、このまちを想い、時代と共に変わりゆく地域社会の課題を的確に捉え、社会開発と指導力開発を実践し続けた先達の積み重ねた弛まぬ努力によって本年70周年を迎える。地域に必要とされる団体として70年もの長きに亘り活動し、運動を発信し続けてこられたのも偏に先達のご尽力の賜物である。時代の変化は大きいものの「明るい豊かな社会の実現」に向けて運動を進める根源には、今も尚創始の精神がある。我々は創始の想いを未来に対し敬意を持って継承していかなければならない。

長野青年会議所の始まりから約70年、突如として現れた新型コロナウイルス感染症の流行は、我が国の経済社会全体にとどまらず、人と人とのコミュニケーションにも深刻な影響を及ぼした。経済環境の変化や企業の競争環境の変化、雇用・働き方の変化など当たり前だと思われてきた常識が激変し、対面や移動を避ける生活様式は、人間が本来持つ社会的な繋がりをも奪う状況となっている。長野青年会議所でも2020年から2022年までの運動は様々な変更を余儀なくされたものの、我々の運動が時代に対応できる力があることを証明しただけにとどまらず、新たな価値観をもたらし、結果としてその新たな価値観は今後の青年会議所運動の可能性を生み出したと言える。時代の転換期はこうして半ば強制的に訪れるのかもしれない。我々は、図らずも訪れたこの状況を千載一遇のチャンスと捉え、柔軟に対策と戦略を立てた上で転換期を活かす必要があると強く考える。

時代が変われば世の中が求めるものも変わり、このまちや組織の在り方が変わる。それでも長野青年会議所の創始の精神は変わらない。我々一人ひとりが現状の課題だけでなく、未来の課題をも見据えて、まずは曇りない目でこのまちを、さらには自分自身を見つめ直そう。そして、弛まぬ好奇心と情熱で最適な解決策を模索し、新しい価値を創造するために先達がこれまでひたむきに創り上げたまちづくりを積み上げよう。汗を流し、時にはぶつかり合い、心打ちひしがれる時もあるだろう。それでも動きを止めてはいけない。輝かしいこのまちの未来のために。

■組織の根幹

 長野青年会議所は公益社団法人として、常に健全且つ公正な組織でなければならない。無論、長野青年会議所が地域から信頼され、ここまで継続できたのも日々の活動において公益性の追求、財政の透明性はもとより、法令を遵守した組織であるからであり、我々が日々新たな発想で自由に事業を展開していくことができるのは紛れもなく、この盤石な組織運営があってこそだと言える。裏を返せば社会的良識を逸脱した行動を取ることで組織のイメージは即座に失墜し、今後の運動に大きく悪影響を与えてしまう。定款や各種規定を遵守することはもちろん、倫理、道徳を守り社会に貢献することが大前提であることを忘れてはならない。長野青年会議所は2010年の第3回定時総会にて「公益社団法人格取得の件」が全会一致で可決され、組織の進化を前提に社会的信用の高まりや説得力を持ち合わせた真の公を実践できる組織として活動しているが、近年会員数は減少傾向にあり、公益事業比率の維持や事業費が遊休資産額を上回ることが困難になりつつある。本年は2021年から議論が始まった現状の運動推進に適した法人格についての議論を深めたい。会員一人ひとりが責任を持ってこの組織について考え、時流に合わせ柔軟に変更していくことが持続可能な組織となっていくためには必要不可欠である。また、近年は新型コロナウイルス感染症の流行による環境の変化に伴い、我々の組織運営、事業内容の変化は過去に無いほど著しく、会員一人ひとりの組織への携わり方にも大きな変化が生まれている。それにより「会いたい人に会えない。行きたい場所へ行けない。」状況は継続しており、在籍年数が短くなりつつある状況も相まって会員同士の関わりの希薄化を招いている。人から人へ文化、伝統、想いが伝承されるこの組織にとって一人でも多くの人との関わり合いが70周年を迎える組織として改めて重要だと考える。今後も、この運動が地域から支持され、継続的に事業の推進力を維持し続けるためにも会員一人ひとりが良識を持ち、互いの想いを分かち合うことで信頼に根ざした成長を目指す持続可能な組織運営を進めよう。

■発信と挑戦

 近年、長野青年会議所に対するイメージは固定化されており、我々が日々推進している運動とは異なった印象を持つ市民は少なくない。入会当時から本気で社会開発と指導力開発に携わる姿を目の当たりにした私にとって、この現実を快くは思わないが、まだまだ我々の運動を正しく発信する相手や手法があることは明確であり、事業発信の伸び代を感じる。本年は、より効果的に全世代へ我々の運動を正しく伝播していきたい。そのためには近年主流となったSNSだけでは不十分であり、様々な媒体の検討、さらには青年会議所の考え方や理念を直接伝えることで、写真や文章では伝わらない運動の魅力を存分に伝えられるのではないだろうか。また、実際に事業を行う際にも行政、協力団体・企業、メディアを巻き込むとともに、実施組織が長野青年会議所であることを認知していただくことが何より有効である。コロナ禍において社会全体で急速なまでに進展したデジタル化情報化社会において、イメージの伝達はこの組織の存亡にかかわる重要な部分と捉えなければいけない。
青年会議所には出向という文化があり、長野青年会議所においても新たな自己成長の場を求め出向に挑戦するメンバーが数多くいる。特に長野青年会議所は出向の文化が根強く、過去を見ても様々な要職を務め上げられた先達の輝かしい歴史がある。出向先には志を同じくする多くの仲間たちが世界中に存在し「明るい豊かな社会」の実現に向け日々活動している。我々はこの素晴らしい機会に巡り合える新たな環境への挑戦をしっかりと後押しできる組織でなければならない。今後の組織の在り方や実施事業を作り上げる過程においても、様々な組織での経験値は大いに有効であり、特に新型コロナウイルス感染症拡大に伴う社会情勢の大きな変動がある今、事業の在り方・効果に対する知見を深めることはこの組織の発展にも大きく寄与すると考える。我々はこれからも組織全体として出向という文化を尊重し、新たな成長の機会への挑戦を後押しできる支援体制を確固たるものにしよう。新たな機会への挑戦は必ずや人を成長させ、未来を担うリーダーを生み出すだろう。どのような時代になっても世の中を創るのは人である。急速に変化する時代を迎える現代において、このまちの未来を創り出す人の成長無くして地域の成長は見込めない。出向という成長の機会を契機とし、組織としての推進力をさらに増していこう。

■知識、知見から見識へ

 青年会議所には月に一回例会があり、運営規則には全員が例会に出席するものと記載されている。夫々の委員会が情報を共有し、長野青年会議所の目指す方向性を確認するだけでなく、友情を育んでいく重要な場である。近年は会員の平均在籍年数が4年2カ月と短く、入会間もない会員が基礎知識を得ることに特化した例会の開催も余儀なくされているが、本来例会は各委員会が準備期間を含め多くの時間を事業構築に費やし、英知の結集として伝える場でなければならない。例会を任された委員会はどの委員会よりもその分野における事実に基づく「知識」を蓄え、準備段階から机上の情報だけに頼らず、実際に見ることや聴くことで「知見」を得てほしい。そして、物事を深く見通し、本質を捉える力、さらには優れた判断力を持った「見識」として全メンバーへの共有を図ることが重要である。例会を青年経済人としての知識や見識を高める場とすることで、個人の修練や次代を担うメンバーを成長させるとともに、得た見識を基に新たなことに対する想いを育む場としてほしい。そのような例会には開始時間の厳守や服装、聴く態度など聴く側も発表する側に対する敬意を持ち、最高の聞き手として例会に参加する必要がある。発表する側も参加する側も共に有意義な時間となれば自然と出席率も上がり、その出席率はきっと委員会としての結束に繋がるだろう。そして、このまちの問題点を各委員会が懸命に探り、その解決策を的確に示すことで、このまちが抱える問題とその解決への道のりを伝えてほしい。「知識」から「見識」まで昇華した情報の発信は、今後の運動推進、さらにはこのまちの発展に向け無限の可能性を秘めているだろう。全メンバーが互いに敬意を持って「知識」でも「知見」でもない「見識」を強く発信し、組織の方向性を全メンバーで共有することのできる例会としよう。

■攻めへの転換

 人口減少社会かつ急速な高齢化社会に突入した我が国では、戦後の基調であった右肩上を前提とした社会システムの疲弊が表面化しており、我が長野市においても例外ではない。長野市の人口は2000年の(38.7万人)をピークに一貫して減少しており、人口が減少するなかで高齢者が増加することにより高齢化率は上昇を続け、現在の高齢化率は30.4%となり、高齢者の割合が増加する「高齢化」と、出生率の低下により若年者人口が減少する「少子化」が同時に進行する少子高齢化社会の波が押し寄せている。それに伴い、地方は経済の縮小、商業施設の開発が進む中で中心市街地の衰退化も課題として挙げられ、シャッターの下ろされた空き店舗や廃店跡地、空地の増加、様々な施設は郊外の広大な敷地を求めて移転していることも相まって、中心商店街は疲弊し、地域のコミュニティも崩壊と言える状況である。本年は、中心市街地が地域の経済及び社会の発展に果たす役割の重要性を鑑み、中心市街地の活性化・再生に焦点を合わせ、地域全体の解決すべき根本的な課題として捉えたい。中心市街地の活性化・再生は必ずや地域の経済を牽引し、中心から盛り上がりを創出することで、このまち全体が活気で包まれる起点となるのではないだろうか。中心市街地が有する利便性と豊かさの両面を最大限に活用し、インパクトのある事業展開を通じて地域活性化の起点を創り、長野青年会議所の存在感を示そう。そして、中心市街地が再び存在感を示すことは必ずや地域経済全体への好影響を生み出すとともに、地域との連携を深め、さらにはこのまちの発展にも寄与するだろう。このまちの魅力は、このまちで日々活動している我々が一番理解している自負がある。今こそ、新たな視点から長野市を創造する一年としよう。

■平和への想い

 世界中から集まったアスリートの活躍に心を高揚させられた長野オリンピック、パラリンピックから25年の月日が経ち、その感動は今も尚多くの人々の記憶に刻まれている。その長野オリンピック、パラリンピックに招致運動から参画したのが我々長野青年会議所であり、改めて先達の偉業に対し敬意を表さなければならない。その長野オリンピック、パラリンピックの平和を願う精神を後世に遺し、長野から世界に向けた平和の灯りを発信していくことを目的に開催されたのが長野灯明まつりである。第十九回長野灯明まつりは惜しくも新型コロナウイルス感染症拡大防止の影響により中止となったが、毎年多くの来場者を魅了し長野の冬を代表する祭りとして定着している。本年は第二十回を迎えるが、新型コロナウイルス感染症の感染拡大防止の観点から長野灯明まつりのコンパクト化を図るなど様々な対策を講じなければならない状況が続いている。長野灯明まつりの継続開催については長年議論されてきた歴史があるが、2021年の第2回定時総会にて「長野灯明まつりの継続開催及び運営組織承認の件」が全会一致で承認され、今後の長野灯明まつりの道筋が示された。しかし、運営面や財政面などの課題に対し、解決に向けた取り組みは継続中であり、依然として新たな長野灯明まつりの在り方に対する試行錯誤は続いている段階と言える。本年は改めて長野灯明まつりの在り方を考えるとともに、抜本的な案を提示することで新たな長野灯明まつりを創造し、長野灯明まつりに対する議論を大きく前進させたい。長野市民に愛されているだけでなく県外からの参加者も多く、長野の冬の祭りとして定着している長野灯明まつりであるからこそ我々自身がどの様に向き合うのかを今一度真剣に考え、長野市を代表する平和を願う五色の光を未来に繋げよう。

■未来の宝のために

 子どもは次代の担い手であり、未来への希望を託す貴重な存在である。そして、子どもたちの健全な育成は親世代である我々が重要な務めとして果たさなければならない。2023年の、子どもの貧困対策を進めるにあたり、課題や施策の効果等を確認するため「長野市子どもの生活状況に関する実態調査」が行われた。約11人に1人の子どもが、低所得の家庭に該当。約9人に1人の子どもが経済的な理由で経験の機会が失われている状況であり、国の水準の相対的な貧困の状況に該当する(子どものいる家庭の9.0%が「困窮家庭」に該当、国の貧困線を下回る水準で生活している子どもの割合が11.2%)。家庭の所得水準の低さや、ひとり親家庭であることにより、子どもの学習や経験など生活の様々な場面で機会が奪われていることや、心理面にも負の影響を及ぼし、将来、子どもから大人へ成長した際に貧困に陥る「貧困の連鎖」へ導かれてしまう可能性が高くなっていることが把握できる。我々は、このデータを重く受け止め、最優先課題として行政機関とともに解決に乗り出す必要がある。また、近年ネグレクトと呼ばれるセルフケアができない育児放棄、育児怠慢が増えており、全国220か所の児童相談所が児童虐待相談として対応した件数は過去最多となっている。ネグレクトを受けた子どもは愛情不足により成長ホルモンが抑えられることで成長不全を引き起こし、身体的発育への悪影響のほか、保護者の監督不十分により子どもが事故に巻き込まれる可能性が上がることや、保護者の関心あるいは知識不足によって治療すべきケガ・病気が放置され悪化するなど正しい子どもの育成とは正反対ともいえる環境となる。ネグレクトは支援が得られない家庭環境やストレスの多い生活環境など、複数の要因が組み合わさって生じるものであり、親世代である我々が早急に対策を講じることで、健全な子どもの育成環境を整える足掛かりを創り出さなければならない。これからも地域の大人として、地域の子どもたちの健全な育成に貢献し、次代を担う子どもたちが健やかにたくましく育ち、子どもの笑顔が溢れる社会を目指そう。

■平和に向けた国際交流

 2021年新型コロナウイルス感染症の影響で1年の延期を経て開催された東京オリンピック・パラリンピックは緊急事態宣言下での開催ではあったものの、大きな盛り上がりを見せ全世界に感動を届けた。この長野市でも1998年の長野冬季オリンピック・パラリンピックが行われ、当時小学生の私もビッグハットでアイスホッケーを観戦し、各国を代表するアスリートのプレーに熱狂したことを思い出す。それから25年が経ち、誰が昨今の新型コロナウイルス感染症の歴史的なパンデミックを予想できただろうか。最新の調査では、新型コロナウイルス感染症の流行前は外国人宿泊者数が11.7万人であったのに対し、2.4万人まで落ち込んでおり、壊滅的状況と言える。長野市は東京からのアクセスも良く歴史が紡いだ伝統と美しい文化を有している。我々は今を準備期間と捉え、Withコロナ、Afterコロナにおけるインバウンドの再開に向け、地域や市民の国際意識の高揚を促すことで、市民と協働した国際化推進事業を継続的に実施し、このまちの魅力を発信し続けることに加え、並行して外国人観光客を受け入れる環境を整える必要がある。また、長野青年会議所は、姉妹青年会議所のソウル江北青年会議所、友好青年会議所の台中國際青年商會と長年友好関係にあるが、新型コロナウイルス感染拡大の影響により、対面による交流はこの3年間叶っていない。創立70周年を迎える本年は交流の歴史に敬意を表すとともに、さらなる友好関係を育み、この国際交流という機会を有効に活用するべきであると考える。世界情勢は2022年2月24日ロシアによるウクライナでの軍事作戦開始をはじめ、台湾問題による米中の関係悪化など解決の糸口が見えない状況が続いている。我々は、これから先を担ってく青年として今何ができるだろうか。国家の統治を超越した同胞愛を目指す組織であることを今一度強く認識しなければならない。こんな時だからこそ我々青年会議所が民間外交の担い手として国際交流を推進し、友情と対話の架け橋を通じて今まで以上に相互理解を深めよう。

■同志の獲得

 青年会議所において重要な運動の一つに会員拡大運動がある。1953年にわずか25名で創立された長野青年会議所は、2010年に267名まで増え、全国でも有数のビッグLOMであった。しかし近年、全国的に各種団体の会員減少問題が取り上げられており、青年会議所においても各所で統廃合が行われ、会員数が減少傾向にある長野青年会議所としても危機感を抱かずにはいられない状況である。10年後も力強く青年会議所運動を推進するべく、未来に向けてさらなる会員拡大運動が必須であることは間違いない。私たち一人ひとりが団体としての存在意義や使命を理解し、的確に伝播していかなければ「JCがある時代からJCもある時代」の波に飲み込まれ、他団体との差別化が図れず組織は弱体化し、未来に向け運動を永続することは出来ないだろう。本年は「想いを繋ぎ、未来を仕掛ける」とスローガンで謳っている。未来に向け先達の想いを繋いでいく、そしてこの先より良い未来に向け仕組みを創り出すためにもこの先を担う次代のリーダーが必要だ。会員拡大は「質」なのか「数」なのかとよく議論されるが、青年会議所は様々な機会の提供によりメンバーを成長へと導き、素晴らしい人財へと昇華することで質の向上を図ることができる団体であるべきだ。つまり、「数」から「質」への転換が最も重要と言える。そして、意識変革を促す最大の機会である会員拡大活動を成功させることは、我々青年会議所が維持・発展し、地域に必要とされる組織として存在し続けることになる。私たちがまちづくり運動の最前線に立ち、未来永劫まちに好影響を与え続けるためにもまちへの想いを共有し、共に行動する同志を一人でも多く迎え入れよう。

■まつりのちから

 創設時より受け継がれた「市民総和楽・総参加」を基本理念とした長野青年会議所の代名詞ともいえる夏の風物詩長野びんずる。善光寺本堂において約1400年燃え続けている不滅の常灯明よりご法灯を頂戴した火釜を設け、解放された中心街路上で市民が躍る様子はまち全体が祭の雰囲気に包まれ、市民の心を躍らせる。第50回、第51回は新型コロナウイルス感染拡大により奇しくも中止を余儀なくされたが、昨年は徹底した対策を取った上で3年ぶりの開催となり、本年は第53回を迎える。長野びんずるが掲げる「市民総和楽・総参加」とは、多くの市民が総出で参加し、市民が互いに打ち解け合い楽しむという意味があり、躍り手や観客、運営側などこの祭りに関わる全ての人が共にびんずるまつりに想いを寄せ一緒に楽しむことがこのまつりの基本理念である。改めて運営側はもちろん、まつりの参加者や担い手など、祭りを取り巻くあらゆる関係者は長きに亘る長野の大切な文化を毎年一年に一度の大切な日と捉え、この文化や想いを受け継ぎ守っていく必要がある。市民にとってかけがえのないこの祭りは、地域との絆を深めるものなのではないだろうか。その絆は人々の心に永く残り、必ずやこのまちへの愛に変わると信じている。こんな時だからこそ市民と一体感をもって第53回長野びんずるを成功させ、新型コロナウイルス感染症という未知なる疫病の終息を祈願するとともに、祭りの火を絶やすことなく未来へ継承しよう。

■歴史への感謝

 長野青年会議所は本年、先達の志高い行動の積み重ねにより70周年を迎える。これまで多くの困難に直面し、それでもこのまちのために青年として英知と勇気と情熱をもって、走り続けて来た確かな証である。現役である我々は、創立時からこのまちの先頭を走り続け、青年会議所の灯を絶やすことなく運動を推進してきた先達へ感謝と敬意を表さなければならない。時代は常に変化するが、ひとの想いや志は決して変わることはなく、先達から受け継いできた伝統ある「襷」を次代へ繋いでいくことが私たちの使命である。本年は長野青年会議所のこれまでの70年の歩みを振り返り原点回帰を図るだけでなく、最大の敬意と感謝の意を表すとともに、長野青年会議所のアイデンティティを確立することで今後のさらなる発展への礎としたい。また、我々の日々の運動は行政、市民、民間企業、各諸団体の協力があってこそ力強く推進できていることは言うまでもない。感謝の心を胸に我々の「今」、すなわち、この時代のまちづくり、人財育成、組織改革の在り方を各方面に強く伝播することで、互いに意識共有を図ることが重要だと考える。未来を見据えたこの時代の長野青年会議所を示すことは我々にとって未来への大きな糧となるだろう。先達が70年間築き上げてこられた歴史に敬意を示すとともに、さらなる発展、成長を求めこれからもこのまちにとってかけがえのない存在となろう。

■未来への布石

 長野青年会議所には長野電鉄地下鉄化に始まり、少年サッカースクール、長野びんずる、長野灯明まつりの創設、長野オリンピック・パラリンピックの誘致参画、第45回全国大会主管、2009JCI-ASPAC長野大会主管などこのまちの発展を心から願い先駆者として数々の運動を推進してきた歴史がある。これは、我々一人ひとりの使命である明るい豊かな社会の実現という壮大な目標の達成に向け、このまちの課題を懸命に探り、その解決策として実行した歴史と言える。そこには我々の考えるこのまちの目指すべき姿があり、常に変化していく時代や社会情勢に応じて中長期的にビジョンを掲げてきた。ビジョンは我々が推進する運動の道標として、この組織の目的・価値観、組織が活動するための方向性を示す北極星であり、全ての活動の根拠となる。60周年時には先10年を見据えた「光あふれる我がまち長野」が長期ビジョンとして示され、65周年時には「Progress」が中期ビジョンとして示された。まずはこの10年を振り返り徹底的な検証をもとに、時代の変革期を迎える今、変えていくもの、変えてはいけないものを明確にすることが重要だと考える。そして70周年を迎える長野青年会議所は先10年間の未来を見据えた確かな一歩を踏みだす道標を示すため、時代の潮流を的確に読み、地域やこのまちに住まう人々が何を求めているのかを把握し、地域社会に潜む課題を模索することで、この時代に合ったビジョンを全メンバーで創り上げ市民へと伝播することが必要だ。そして力強く運動を推進し、若者らしい大胆な視点としなやかな行動をもって未来を指し示す必要がある。確実な検証を基に、我々の持つ溢れんばかりの情熱と冷静な思考、そして力強い実行力をこのまちにどう活かすのか。全メンバーが共に考え、このまちの目指すべき姿と長野青年会議所の未来を共に描こう。

■結びに

 人生には想像もしないことが起こる。私にとって青年会議所への入会も想像もしなかったことの一つだろう。私が入会した頃とは時代も大きく変わり、その時代や分野で当然と考えられてきた常識や価値観は、ある意味「リスク」に変わりつつあると言っても過言ではない。激動の時代の中で多くの先輩方との出会いが私を成長させ、多くの仲間にも巡り会えた。幸いにも様々な役職や運動を経験させていただくことができ、数々の失敗も今となっては私の大きな財産である。「あの時もっとこうしておけば」その連続だ。そんな時、いつも隣で支えてくれたのは仲間であり、仲間との思い出の共有こそ私たちの人生においてかけがえのないものであると確信している。いつの日か必ずこの「瞬間」を振り返る時が来る。情熱を持って仲間と過ごした時間は、眩しく輝いて見えることだろう。そして、本気でこのまちを想い、仲間と共に過ごした時間、経験が人生の宝物となるのではないだろうか。今この瞬間がこのまちの未来を変えると信じ、まずは自らを変え、周りを変え、このまちを前進させよう。輝かしいこのまちの未来を信じて。
我々には、このまちを変える力がある。

青瞬 ~想いを繋ぎ、未来を仕掛ける~

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